waniwaniの雑記帳

自作PC/就活論/労働問題/大学生活/社会問題 などについて書きます

僕が銀行をたった2年でやめた理由

お久しぶりです。YNPです。

タイトルの通り、2018年3月末日付で某銀行を一身上の都合により退職致しました。転職先が決まったので、こうしてブログの更新することと致しました。

2年という期間が長いのか短いのかわかりませんが、世間一般的に言えば、短い方なのかなと思ってます。

退職理由は2点。「銀行業自体が先細りであること」「銀行特有の古い体質から抜け出す気配が一切ないこと」。

1点目「銀行業自体が先細りであること」について。ご存知の通り、銀行は金利で儲けるが主軸である業界です。わかりやすく言えば、預金者から預かっているお金を、企業に貸してその金利の差(例:100万円の貸付金利1.0%と100万円の預金金利0.01%の差額=[9,900円])を銀行の儲けとする業界です。

ですが、バブル時にお金を企業に貸付すぎた結果、バブル崩壊と共に沢山の不良債権を生み出す結果となってしまい、その流れを汲んで、貸し渋りを行うようになっています。貸し渋りは、良く言えば「きちんと債務者(お金を借りる人・企業)がお金を返せるかどうかを見極めて貸す」ことですが、悪く言えば「お金を返せることを所有している土地等の権利をもって証明しなければお金を貸さない」ということです。

これってつまり、銀行は「お金を持っている人にしか、お金を貸さないということ」ですから、そもそも論として矛盾していて、お金を必要としている企業にお金が回っていかないということです。

で、これを悪く見ている日本政府は「マイナス金利政策」というものを導入して、銀行に貸し渋りをさせないように取り組んだわけですね。で、結果的にどうなったか。銀行は本業である貸金業務を捨てて、手数料収入を目的とした業界へと変化しました。身近なところで言えば、クレジットカードの金利手数料や、銀行窓口で契約した保険等の紹介料収入ですね。

結果、本業の収入を手数料等による収入が大きく超えてしまっているのが現状で、貸し渋りは未だに続いています。

貸金業務を行うなかで企業の経営コンサルティングをしたい」と考えていたのに、経営コンサルとは全く関係のないクレジットカードや保険商品の推進ばかりをさせられてしまうのは、全く違うなと思いました。

2点目「銀行特有の古い体質から抜け出す気配が一切ないこと」について。銀行というのはやはり特殊な業界で、大量採用大量離職が当たり前です。これは四季報等からも明らかですが、基本的に3割しか残らないと言われています。これには原因があって、商品自体の性能ではなく、売る人の性能で商品を売っているから、売れる人しか残らないのです。

どういうことかというと、世の中には沢山の銀行ないし金融企業がありますが、どの銀行でも0.01%単位で誤差はありますがほとんど同様の商品を売っているのが実情です。つまり、それぞれの銀行の保有している商品(サービス)に差がないということです。

例えが悪いかもしれませんが、ファミリーマートで売っているコカ・コーラと、セブンイレブンで売っているコカ・コーラ、どっちも同じコカ・コーラであることに変わりはない、ということです。じゃあどっちのコカ・コーラを買うのか。当然、行きやすい、ないし愛想の良い店員がいる方に行くんじゃないですか。気分良くコーラを買える方に行く。

商品に差がないなら、客の取り合いになったときに、店員=外回りの銀行員ないし、立地による差で勝負が決まります。100人採用して、100人が全員「センス◯」の天才選手ということはありませんから、ノルマ等に耐えられて、それなりに楽しくやれる人間が3割程度ということです。

せめて、育成をして使えるようにしようという気持ちがあるならば、無茶なノルマ等は課されませんが、今の経営幹部層はバブル時代に大味な貸出をしている層ですから、貸せ貸せ・売れ売れ路線な経営方針はこの先10年は変わりません。

事実、主力地域外で、知名度も低い地域での勤務だったのにもかかわらず、1年目からむちゃくちゃなノルマを押し付けられ、仕方無く来る日も来る日もテレアポをして、やっとつかまったかと思えば、すでに先輩が手を付けていたお客様だったり。そんな前時代的な古い体質で会社が動いていました。

 

結局、僕が耐えられない人間と言えばそうなのかもしれませんが、いずれにしても、一介の地方銀行がこれから先、生き残っていくのはAI化等を考慮して、不可能と思っています。資金力及び、技術力双方の面で、未来がない。これが私が銀行を2年でやめた理由です。

銀行の良いところは、給料が良い事くらいです。20代後半で600万円前後かな。でも休日は接待やゴルフコンペ、スポーツ大会、資格の勉強。男性はそれなりの年齢で結婚しないと、まともに評価されません。サービス残業も無いといいながら、隠れてコソコソとしないと白い目で見られますし、総じて陰湿な雰囲気です。

==

まあこんな陰湿な記事を書きましたが、銀行で世の中を見させてもらった結果、やりたい仕事も見つかりました。なので、感謝はしています。ただ、恩返しをしようとかそんな気持ちが沸くほどの業界ではありません。銀行は人を選びます。客も従業員も。