waniwaniの雑記帳

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「涼宮ハルヒ」はアニメ市場を変えた

2006年4月。涼宮ハルヒの憂鬱がアニメ化、放送される。当時、私は 中学2年生だった。この時まだ「ニコニコ動画」はまだ存在しておらず、この年の12月にニコニコ動画(仮)としてサービスが開始される。

(以下に下記の引用・参考を含みます)

涼宮ハルヒシリーズ - Wikipedia

涼宮ハルヒの憂鬱 (アニメ) - Wikipedia

涼宮ハルヒシリーズ(すずみやハルヒシリーズ)は、『涼宮ハルヒの憂鬱』(すずみやハルヒのゆううつ)をはじめとする、谷川流による日本のライトノベルシリーズ。イラストはいとうのいぢ角川スニーカー文庫角川書店)より2003年6月から刊行されている。その後、アニメ化され、06年4月から第一作となる「涼宮ハルヒの憂鬱」が06年4月~7月にかけて放送された。2007年7月7日に第2期の制作が発表され(その後「新アニメーション」との発表に)、2009年4月から10月にかけて新作14話を加えたテレビアニメーション全28話があらためて放送された。2010年2月6日より『涼宮ハルヒの消失』が劇場版アニメーション映画として公開された。

06年4月に放送されていたアニメは有名なものだと、「BLACK LAGOON」「桜蘭高校ホスト部」「うたわれるもの」「ひぐらしのなく頃に」「fate/stay night」がある。特に「fate」「ひぐらし」が同期というのは非常に面白い(「桜蘭高校ホスト部」もヒロイン的な意味で面白いのだが)。「fate/stay night」は今もなお根強い人気があり今春から「fate/stay night Unlimited Blade Works」が放送されるのは周知の通りである。「ひぐらし」に関しても、昨年パチンコ・パチスロ化がされた。

ハルヒ」と言えば、EDの「ハレ晴レユカイ」である。ハルヒの放送後、中高生の間で「文化祭」や「体育祭」などのイベント時にこのダンスを踊る流れができた。今までオタク・マニアしか深夜アニメを見なかったのにもかかわらず、ハルヒは中高生といった少年・少女にも影響を与えていたことの紛れもない事実である。この時期からインターネットでの違法配信がDVDを購入できない中高生などの間で横行し始めたことも裏付けの一つである(特にニコニコ動画初期は違法アップロードの温床であった)。実は私もこの「ハレ晴レユカイ」を体育祭で踊ったのだが、今思えば完全に黒歴史だ。

ハルヒ」の放送後、急速にラノベ原作のアニメが増加することとなる。ライトノベルのアニメ化作品一覧 - Wikipediaによると、00~06年(7年間)のラノベ原作のアニメ作品は42本、一方で07年~13年(7年間)の本数は136本と、実に3倍ものラノベ原作アニメが放送されることとなった。これは「ハルヒ」だけではなく「灼眼のシャナ(05年)」「ゼロの使い魔(06年)」といった今ではある意味伝説とも言えるラノベ原作も影響していると言える。

また、この時期から新作アニメも増加することとなった。1960~2000年代のテレビアニメ原作媒体の割合と新作放映数の推移 | Kousyoublogによると、00~05年の新作放映数は832本、一方で06~11年の新作放映数は1022本と約200本増加した。これは1年あたり33本増加しており、1クールあたり8本程度増加していることになる。

以上のような流れの中で、アニメというものが「オタク」「マニア」だけが見るものではなくなっていった。先述したように、今までは視聴者層に含まれていなかった中高生が深夜アニメを好んで見るようになったのだ。animentary <アニメ批評> 『涼宮ハルヒの憂鬱』によると、この現象によって「アニメ自体の社会的評価が上がった」のではなく、逆に「評価が下がった」らしい。確かに私もそう思う。この記事に書かれている通りだからだ。(以下上記サイト引用)なぜなら、彼らはアニメが好きなのではなく、あくまで友人ないしネット住民とのコミュニケーションツールとしてアニメを利用しているに過ぎないからだ。話のネタにするためには、できる限り多くの人が視聴している物でなければならない。それゆえ、作品の質や面白さを無視して、話題になった(もしくは話題にした)アニメに人が集中するという一過性の一極化現象が往々にして発生するようになった。(引用終)たしかに、ハルヒ以降話題になった作品だけが日の目を見ることが多くなった。「周りが見ているから見てる」という人が多くなったのである。だが、「周りが見ている」からといって面白い、すなわち作品の質が良いというわけではないのである。「ごちうさ」が代表例ではないだろうか。アニメ視聴が目的ではなく、手段と化したこともこの「ハルヒ」の影響であると言える。

このような「ハルヒ」を境としたアニメの移り変わりのことを「アニメ史」の中で「ハルヒ以降(以前)」と呼ぶ。このハルヒ以降、数年を置いて「まどマギ」や「ラブライブ」といった大ヒット作が生まれることとなるが、まだ情報が足りないため又の機会にしようと思う。