waniwaniの雑記帳

自作PC/就活論/労働問題/大学生活/社会問題 などについて書きます

「万引き」の心理-逃げ場のない環境-

今日、母から連絡があった。ついこの前、弟(小学校3年生)が万引きをしたらしい。話を聞くと、特段欲しかった物ではない「おもちゃ」を万引きしたようだ。私は「万引き」はしたことがなく、弟の気持ちが分からない。分からないが、なんとなく「あの家庭で仕方がないのかも」という思いはある。

私の家庭環境については以前記事に起こしたことがあると思うが、「最低」ではないが「悲惨」な家庭だ。簡潔に書くと、教育熱心で金にしか興味のないヒステリックな母、それに従ってしまう情けない父(私にとっては義父だが)、あとは「弱い」小学生の弟たちである。

弟は何故「万引き」をしたのだろうか。少し調べたところ、カウンセラーとか専門家という冠の付く人たちは「親の気を惹こうとした」などと言うらしいが、ことうちの家庭に関してはそうではないと思う。というより、「親の気を惹こうとした」などという「ちっぽけ」な言葉では片付かないと思う。

彼らは、母に、いや家族に「逃げたかった」のではないだろうか。私が弟くらいの年のとき、頻繁に家出して父(実の父)の元に行っていた。逃げていたのだ。そうでもしないと、狂ってしまう、そんな気がしていた。だが、弟たちは様々な意味で「逃げられない」のだ。どうやっても、母の言いつけは聞かねばならず、やりたくもない「受験勉強」をしなければならない。彼らの唯一のストレス発散方法である「ゲーム」も母によって「人質」にされる。

もちろん、子供というのはゲームを与えればそれこそ「永遠」にゲームをやり続けてしまうだろう。それは悪いことであるし、阻止しなければならない。だが、彼らにはそれ以外に逃げ道がないのである。唯一の逃げ道まで「人質」に取られてしまうとどうしようもない。彼らは別の逃げ道を探す、それの一つが「万引き」であったということだ。

万引きをしたいからするのではない。欲しいものがあるからするのでもない。スリルが快感だからするのでもない。脅されてやるのでもない。「逃げたいからする」のである。万引きが彼らの逃げ道の一つであった、ということではないだろうか。

自分の親くらいの世代からすれば「逃げる」ことは悪いことという認識らしい。確かに多くの場合は逃げることは悪いことではないにしろ「良いこと」ではないように私も思う。しかし、こと家庭環境のこととなると逃げること、即ちストレスの発散先を用意するということは特段悪いことではなく、むしろ良いことの様に思う。無論それは発散方法が道徳的に間違っていないことが必要であるが。

私は親ではないし、当然子供もいない。だから偉そうなことは全く言えないのだが、誰しも「逃げ場のないつらさ」というのは経験があるように思う。どうしてもやらねばならないことはあっただろう。その時に、抱えるストレスをどうやって発散するか、「友達と遊んだり」「ゲームをしたり」「買い物をしたり」「愚痴を言い合ったり」「親に相談したり」そういう行動をしたのではないだろうか。そういったストレス発散が無い環境で頑張れるのは、極々一部の「強者」だけであり、ましてや小学生にそれができる筈がないのである。

何かに付けては「金で釣る」ような親の元で、どうして「まともな心が育つ」のか。いや育たないのだ。事実、育っていないから「理由のない万引き」をしたのだ。

はぁ…いかにせん。。